体が硬いのは悪いこと?前屈の数字より大切な「動ける柔らかさ」
「前屈しても指先が床に届かない」「昔から体が硬いから、運動は向いていない」。そう感じて、体を動かすことから少し距離を置いている方もいるのではないでしょうか。
体が柔らかい人ほど健康で、硬い人は不健康。なんとなくそんなイメージがありますが、研究を見ていくと、話はもう少し違うようです。今回は「体の硬さ」との付き合い方についてお伝えします。
体が柔らかいほど健康、とは言い切れない
2020年、スポーツ医学の専門誌に「柔軟性を、体力の主要な要素として扱うのを見直すべきではないか」という論考が掲載されました。
この論考では、これまでの複数の研究を整理したうえで、座って行う前屈の数値は、将来の腰痛や高齢者の転倒、寿命などとほとんど関係が見られなかったとまとめています。仕事での動きやすさとの関係も、筋力や持久力に比べてかなり弱いものでした。
つまり「前屈で床に手が届かない=体に問題がある」とは、一概には言えないということです。
柔らかすぎても、けがは減らない
もう一つ興味深いのは、柔らかければ柔らかいほど良い、というわけでもない点です。
脚のけがについては、柔軟性が低すぎる人だけでなく、高すぎる人にも多いという報告があります。関節がもともと柔らかすぎる方の場合は、さらに伸ばすことよりも、関節を支える筋力や体の安定を育てることが優先されます。
硬さは「結果」として表れていることが多い
では、体の硬さは気にしなくていいのかというと、そうでもありません。
現時点で言えるのは、「柔軟性が低いことは、体の状態を知る目安にはなる。ただし、柔らかくすること自体が健康をつくるという証拠はまだない」ということです。
たとえば座っている時間が長いと、股関節の付け根やふくらはぎは縮んだ形のまま過ごすことになります。その結果として、体が硬く感じられることがあります。硬さそのものより、「なぜ硬くなっているのか」に目を向けることが大切です。
硬さとの上手な付き合い方
筋トレでも体はやわらかくなる
意外に思われるかもしれませんが、筋力トレーニングだけでも柔軟性が10〜25%ほど向上し、ストレッチと同じくらいの変化が見られたという報告がまとめられています。
「体が硬いから、まずはストレッチで柔らかくしてから運動を」と順番を決めてしまう必要はありません。体を動かすこと自体が、硬さをやわらげる一つの方法になります。
痛みを我慢して伸ばさない
ストレッチをする場合も、痛みを我慢して押し込む必要はありません。「痛みの手前で止める」が基本です。前屈の記録を伸ばすことを目標にするより、気持ちよく動ける範囲を少しずつ広げていく方が、長く続けやすくなります。
目安は「前屈の数字」より「生活の動き」
柔らかさの目安にしたいのは、前屈の記録よりも、毎日の動きです。
- 立ったまま靴下をはけるか
- 床の物を楽に拾えるか
- 後ろを振り向くとき、首だけでなく体ごと回せるか
こうした「自分が困っている動き」が楽になっていれば、それは生活に必要な柔らかさが育っているサインです。
まとめ
体が硬いことは、それだけで悪いことではありません。大切なのは、前屈の数字よりも、なぜ硬くなっているのかを知り、生活の中で動ける体をつくることです。そして、体を動かすこと自体が、その近道になります。
CLOVER.では、硬さそのものだけを見るのではなく、どの動きで困っているのか、なぜそうなっているのかを確かめながら、整えて鍛えていきます。「体が硬いから運動は苦手」と感じている方こそ、一度ご相談ください。
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