肩こりがもんでも戻るのはなぜ?頭を吊り上げ続ける僧帽筋の話
肩がこってつらいので、もんでもらう。そのときは楽になるのに、次の日にはまた同じところが固まっている。そんな繰り返しに、心当たりはありませんか。
肩こりは、こっている場所そのものよりも、「なぜそこが休めないのか」に目を向けると見え方が変わります。今回は、首の後ろから背中に広がる「僧帽筋(そうぼうきん)」という筋肉のお話です。
僧帽筋は、上と下で立場がちがう筋肉
僧帽筋は、後頭部から首の後ろ、肩、そして背中の中ほどまで広がる、ひし形の大きな筋肉です。一つの筋肉ですが、働きによって上部・中部・下部に分けて考えます。
- 上部: 肩甲骨や肩を引き上げる。首の後ろで頭を支える
- 中部: 肩甲骨を背骨のほうへ引き寄せる
- 下部: 肩甲骨を下へ引き下げて、留めておく
肩こりで「ここがつらい」と触る場所の多くは、この上部です。
前に出た頭を、首の後ろで吊り上げ続けている
頭の重さは、およそ体重の1割ほどといわれます。ボウリングの球くらいの重さが、首の上に乗っているわけです。
頭が肩の真上にあるうちは、その重さを骨で受け止めやすい状態です。ところが、スマホをのぞき込む、パソコンの画面に顔を近づける。そうして頭が前に出るほど、首の後ろの筋肉は頭が前に落ちないように引っぱり続けなければなりません。
その役を引き受けているのが、僧帽筋の上部です。画面を見ている間ずっと、綱を引きっぱなしの状態になります。
一方で、下の仲間は眠っている
では、中部と下部はどうでしょうか。肩甲骨を背中に引き寄せたり、下に留めたりする場面は、暮らしの中にあまりありません。腕はいつも前に出ていて、頭も前にあるからです。
出番のない中部・下部は、伸ばされたまま眠ったような状態になります。すると肩甲骨は上へ、前へと居着きやすくなり、ますます頭が前に出やすくなる。上は働きすぎ、下は眠ったまま。この綱引きの輪が回り続けることが、もんでも戻る肩こりの背景にあると、私たちは現場で感じています。
筋肉の「声」として聞いてみると
CLOVER.では、カラダの状態を筋肉の「声」として捉えることがあります。僧帽筋は上と下で立場がちがうので、声も二人分です。
上部「頭が前に出るほど、首の後ろから吊り上げる重さが増える。画面をのぞき込んでいる間、僕はずっと綱を引きっぱなし。肩こりは、僕の腕がもう限界だという合図なんだ」
中・下部「僕は肩甲骨を背中に引き寄せて、下に留める役。でも引き寄せる場面が一日にほとんどない。僕が起きて肩甲骨を下に留めれば、上の仲間は綱を離せるのに」
鏡の前でできる簡単なチェック
鏡の前に立ち、両腕を体の横から、ゆっくり頭の上まで上げてみてください。
途中で肩が耳に近づいていく(肩がすくむ)ようなら、肩甲骨を下に留める役の中部・下部がうまく働けず、上部が代わりに頑張っている可能性があります。
痛みが出る場合は無理をせず、上げられるところまでで止めてください。
今日からできる3つのこと
1. 上は「伸ばす」より「離させる」
こっている上部を強く引き伸ばすより、まずは休ませることを優先します。首を横にゆっくり傾けて軽く伸ばす、蒸しタオルなどで温める。それくらいのやさしさで十分です。
2. 1時間に1回、肩を下げて3秒
座ったまま、肩を耳から遠ざけるように、すっと下げて3秒キープします。肩甲骨が背中の下のほうへ滑っていく感覚があれば、眠っている中部・下部が目を覚ましているサインです。
3. スマホは目の高さまで持ち上げる
スマホを胸の前で見ると、頭は自然と前に出ます。目の高さまで持ち上げるだけで、上部が吊り上げる重さは軽くなります。長く見るときほど意識してみてください。
まとめ
もんでも戻る肩こりは、前に出た頭を僧帽筋の上部が吊り上げ続け、肩甲骨を留める役の中部・下部が眠っている、という綱引きの結果かもしれません。上をゆるめるだけでなく、下を起こして綱を離させてあげること。それが肩を休ませる近道です。
ご自身の肩がどんな状態なのかを知りたい方は、CLOVER.の体験で一度チェックしてみてください。
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