2026.10.13痛み改善最終更新 2026.10.13

お尻の横や外ももが張る原因は?後ろの代わりに骨盤を支える中殿筋の話

お尻の横や外ももがいつも張っている。もんでもらうとその場は楽になるのに、しばらくすると元に戻ってしまう。靴下をはくときなど、片脚で立つとふらつく。そんな感覚に心当たりはないでしょうか。

張っている場所をほぐすことも大切ですが、張りが繰り返されるときは、その場所が「がんばりすぎている理由」に目を向けてみる価値があります。今回は、お尻の横にある筋肉「中殿筋(ちゅうでんきん)」のお話です。

中殿筋は、片脚で立つたびに骨盤を支える筋肉

中殿筋は、お尻の横、骨盤の外側についている筋肉です。太ももの骨の外側の出っぱり(大転子)へとつながっています。

大きな役割は、片脚で立ったときに骨盤が傾かないように支えることです。歩くとき、私たちは一歩ごとに一瞬だけ片脚立ちになっています。そのたびに、支えている側の中殿筋が働いて、骨盤を水平に保っています。

中殿筋には前寄りの部分と後ろ寄りの部分があり、本来は前と後ろが一緒になって骨盤を支えます。

張っているのは「前寄り」と「外もも」

ところが、座っている時間が長く、歩くときの歩幅が小さい生活が続くと、お尻の後ろ側(大臀筋や中殿筋の後ろ寄り)は出番を失いがちです。前回の記事でお伝えした「眠ったお尻」の状態です。

後ろ側が休んでいる分、骨盤を支える仕事は、中殿筋の前寄りと、太ももの外側にある大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)が代わりに引き受けます。この2つの筋肉には、脚を内側にひねる働きもあります。そのため、代わりにがんばるほど脚が内にひねられ、ひざが内側に入りやすくなります。

筋肉の「声」として聞いてみると

CLOVER.では、カラダの状態を筋肉の「声」として捉えることがあります。中殿筋の前寄りの声は、こんなふうに聞こえます。

「僕はお尻の横の、前寄りにいる。本当は後ろの仲間と一緒に、片脚で立つたびに骨盤を支える役。でも後ろの仲間は眠ってる。だから外ももと僕で、前から骨盤を吊り上げてる。硬くなるほど支えは弱くなって、片脚で立つとぐらつく。お尻の横が硬いのは、僕が後ろの分まで支えて、それでも支えきれていない合図なんだ。」

つまり、お尻の横の張りは「硬いのに、支えきれていない」状態のサインかもしれません。張っているからといって、強い筋肉とは限らないのです。

片脚立ちで、自分の様子を確かめる

鏡の前で、片脚で10秒立ってみてください。転ばないよう、すぐに手をつける場所で行いましょう。

こうした様子があれば、骨盤を横から支える力が足りていない可能性があります。左右で比べると、違いがわかりやすくなります。

もうひとつ、浅いスクワットを片脚でしてみて、ひざがつま先より内側に入らないかも見てみてください。ひざが内に入る場合も、同じ背景が考えられます。

なお、お尻や脚にしびれがある、痛みが日に日に強くなる、夜も痛むといった場合は、筋肉以外の原因も考えられます。無理をせず、医療機関に相談してください。

ほぐすだけで終わらせず、後ろ側を起こす

張りを楽にするには、ほぐすことと、休んでいる後ろ側を起こすことの両方が大切です。外ももの帯のような組織(腸脛靭帯)そのものは伸ばしにくいため、ほぐすなら、その上にある筋肉側を意識するのがおすすめです。

1. お尻の横と外ももを、やさしくほぐす

ボールやフォームローラーを、お尻の横の前寄りや外ももの付け根に当てて、ゆっくり体重を預けます。痛みをがまんするほど強く押す必要はありません。

2. 歯みがき中の片脚立ち

歯をみがく間、片脚で30秒ずつ立ちます。骨盤が左右で水平になるよう意識するのがポイントです。毎日の習慣に組み込めるので、続けやすい方法です。

3. 歩くとき、一歩を少しだけ大きく

歩幅が小さくすり足ぎみだと、片脚で立つ瞬間が短くなり、お尻の出番も減ります。いつもより一歩を少しだけ大きくすることを意識してみてください。

まとめ

お尻の横や外ももの張りは、お尻の後ろ側が休んでいる分を、中殿筋の前寄りと外ももが代わりに支えているサインかもしれません。張っている場所をほぐすだけでなく、後ろ側を起こして、片脚でしっかり立てる体に戻していくことが、張りを繰り返さない近道です。

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