「正しい姿勢」で肩こり・腰痛は防げる?研究で見直す姿勢の考え方
「姿勢が悪いから肩がこるんですよね」。体の悩みをうかがっていると、こうした言葉をよく耳にします。子どもの頃から「背筋を伸ばしなさい」と言われてきた方も多いのではないでしょうか。
猫背を気にして、仕事中ずっと背筋を伸ばそうと頑張っているのに、夕方には肩や腰がつらくなる。そんな経験はありませんか。
今回は、「正しい姿勢」と痛みの関係について、研究でわかってきていることをご紹介します。
「たった一つの正しい姿勢」は見つかっていない
専門家による見直し
2019年、理学療法の専門誌(Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy)に、「背筋を伸ばして座りなさい、を見直す時が来た」という趣旨の論文が掲載されました(Slater ら)。この中で著者らは、痛みを防ぐ「たった一つの正しい姿勢」があるという強い証拠はない、と述べています。
背骨のカーブの形には、もともと人によって大きな個人差があります。ある人にとって楽な姿勢が、別の人にとっても楽とは限りません。
背筋を伸ばしていた人のほうが、首の痛みが少ないとは限らなかった
オーストラリアで行われた研究では、686人の17歳のときの座り姿勢を撮影し、22歳になったときの首の痛みとの関係を調べました(Richards ら、2021年、Physical Therapy誌)。
その結果、男性では17歳のときの姿勢は5年後の首の痛みと関係がありませんでした。女性ではむしろ、背筋をまっすぐ伸ばしていた人よりも、背中が丸まった楽な姿勢の人のほうが首の痛みが少ないという結果でした。
ただし、これは若い世代を対象に、姿勢と痛みの関係を観察した研究です。そのまま大人に当てはまるとは言い切れません。それでも著者らは、「首の痛みを防ぐために背筋を伸ばして座りましょう」という一律の呼びかけは見直す必要がある、とまとめています。
腰の反りと腰痛
腰についても、腰痛のある人とない人を比べた研究のまとめ(Laird ら、2014年、BMC Musculoskeletal Disorders誌)で、立っているときの腰の反りの大きさに差は見られませんでした。
姿勢の「形」より大切なこと
同じ姿勢を続けない
では、姿勢はまったく気にしなくてよいのでしょうか。そうではありません。気をつけたいのは、姿勢の形そのものより、同じ姿勢のまま長い時間動かないことです。
どんなに良い姿勢でも、ずっと固めていれば、支えている筋肉は休む間がありません。背筋を伸ばそうと力み続けることが、かえって肩や腰の張りにつながることもあります。
「一番良い姿勢は、次の姿勢」という言葉があります。こまめに姿勢を変えることは、その場の楽さにつながります。
いろいろな姿勢がとれる体をつくる
もう一つ大切なのは、いろいろな姿勢を楽にとれる体であることです。前にかがむ、後ろに反らす、ひねる。どの動きにも対応できる柔らかさと力があれば、一つの姿勢にこだわる必要はなくなります。
姿勢の形を直すことそのものより、動かせる範囲と力が増えることで、つらさが軽くなることが多いと私たちは考えています。
今日からできること
- 30分から1時間に一度を目安に、立ち上がる・座り直す
- 背筋を「ずっと伸ばす」のではなく、楽な姿勢と伸ばした姿勢を行き来する
- 寝る前などに、背中をゆっくり丸める・反らす動きを数回くり返す
どれも痛みが出ない範囲で、気持ちよく動かすことを意識してみてください。
まとめ
「正しい姿勢を保たなければ」と頑張りすぎる必要はありません。研究からは、たった一つの正しい姿勢よりも、同じ姿勢を続けないこと、そしていろいろな姿勢をとれる体であることが大切だと見えてきます。
CLOVER.では、姿勢の形だけを見るのではなく、どこが動きにくくなっているか、どんな動きで負担がかかっているかを一緒に確かめながら、動ける体づくりをお手伝いしています。肩こりや腰痛が気になる方は、福岡市南区のCLOVER.へお気軽にご相談ください。
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