2026.10.21健康維持最終更新 2026.10.21

ゆっくり呼吸でストレスは減る?研究でわかった呼吸法の効果

年末が近づくと、仕事も家のことも慌ただしくなってきます。

気づくと肩に力が入っていたり、なんとなく気持ちが落ち着かなかったりすることはありませんか。

「深呼吸をすると落ち着く」とよく言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。

今回は、呼吸法とストレスについて研究でわかっていることをご紹介します。

呼吸法でストレスはやわらぐのか

2023年、イギリスの研究グループが、呼吸法の効果を調べた研究をまとめて分析した論文を科学誌(Scientific Reports)に発表しました(Fincham ら)。

対象は、呼吸法を行うグループと行わないグループを比べた12の研究で、参加者は合計785人です。

ストレス・不安・気分の落ち込みに小〜中程度の効果

分析の結果、呼吸法を行ったグループは、行わなかったグループに比べて、自分で感じるストレスが軽くなっていました。

不安や気分の落ち込みについても、同じように軽くなる傾向が見られています。

効果の大きさは「小〜中程度」とされています。

結果を読むときの注意点

ただし、この結果には注意も必要です。

分析に含まれた研究は数が多くなく、研究の進め方に偏りが入り込んでいる可能性があるものも含まれていました。

著者らも、より質の高い研究で確かめる必要があると述べています。

「呼吸法をすればストレスがなくなる」というものではなく、「ストレスと付き合うための手段の一つとして期待できる」と受け止めるのがよさそうです。

よく研究されている「1分間に6回」のゆっくり呼吸

呼吸法にはさまざまな種類がありますが、研究でよく使われているのが、1分間に6回ほどのゆっくりした呼吸です。

1回の呼吸に約10秒をかける計算になります。

ふだん私たちは、1分間に十数回ほど呼吸をしています。

それに比べると、かなりゆっくりのペースです。

2021年に59人を対象に行われた実験(You、Laborde ら)では、このペースで呼吸をしている間、心拍のゆらぎの中で、体を休めるときに働く神経の活動を反映するとされる指標が高まっていました。

ただし、こうした心拍の指標は呼吸の深さや速さそのものの影響を受けやすく、数値が上がったことがそのまま「体が整った」ことを意味するわけではありません。

ここは研究者の間でも慎重に扱われている点です。

暮らしの中での試し方

難しく考えず、次のような形で試してみてください。

吸う4秒・吐く6秒を目安に

秒数はあくまで目安です。

苦しく感じる場合は、無理に長くせず、楽に続けられるペースにしてください。

時間を決めると続けやすい

寝る前、仕事の合間、湯船につかっている間など、毎日のどこかに「呼吸の時間」を決めておくと習慣にしやすくなります。

こんなときは中止を

途中でめまいや息苦しさ、手のしびれなどを感じたら、すぐにふだんの呼吸に戻してください。

呼吸器や心臓の病気で治療中の方は、主治医に相談してから行うと安心です。

まとめ

研究では、呼吸法にストレスや不安を小〜中程度やわらげる効果が見られています。

ただし研究の数や質にはまだ課題があり、万能の方法ではありません。

道具もお金もいらず、数分でできることなので、忙しい時期の「ひと息つく習慣」として取り入れてみてはいかがでしょうか。

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